2021年4月より個人会員として、慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアムの活動に参加させていただいております。この度、活動の様子の一部を紹介するために執筆したコラムが2021年9月17日、公式WEBサイトに掲載されました。
- 参照
- 健康情報コラム|vol.1|新型コロナと医療・健康コミュニケーション – 慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム

コラムでは、2021年6月渋谷駅と原宿駅に掲載された、若者向け新型コロナ感染防止啓発ポスターのキャッチコピーを決める際のやり取りの一部を紹介しました。言葉の使い方一つとっても、伝わり方やその後のコミュニケーションが大きく変わります。科学コミュニケーターとして、細部にこだわって改善提案することも大事な役割の一つと考えています。
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックという、誰もが正解を持ち合わせない状況下で、教育学の知見をベースに「情報との誠実な向き合い方」について提言しました。
背景と課題:情報の「インフォデミック」に立ち向かう
コロナ禍では、医学的な知見が日々更新される一方で、SNS等での不確かな情報も錯綜しました。多くの市民が、どの情報を信じて自らの健康を守るべきかという「情報の取捨選択」に疲弊していました。
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課題: 専門性の高い医療情報と、市民の日常的な感覚の間に生じている「断絶」をどう埋めるか。
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狙い: 単に「正しい情報」を押し付けるのではなく、情報を「読み解く力(リテラシー)」と、それを他者と「対話する力」を育む視点を提示すること。
今回のアプローチ:教育学的視点による「情報の翻訳」
私は教育学における「学習支援」や「対話のデザイン」の考え方を応用し、読者が自律的に情報を扱えるようになるための指針を綴りました。
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「わからない」を共有する対話のデザイン: 教育学の修士として、学びの出発点は「問い」にあると考えます。専門家も市民も、まずは「何がわからないか」を整理し、対話を通じて共に納得解を探っていくプロセスの重要性を強調しました。
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リテラシーから「ナラティブ」へ: 事実(ファクト)を伝えるだけでなく、その情報が個人の生活(物語)の中でどのような意味を持つのか。漆畑さんが得意とする「情報の文脈化(翻訳)」の手法を用い、読者の心理に寄り添った構成を意識しました。
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共創のためのプラットフォーム構築: 慶應SFCという、アカデミアと社会を繋ぐ場で発信することで、専門知が社会実装される際の「言葉の壁」を取り払う試みを行いました。
結果と反響:安心感と新しい「視点」の提供
コラム公開後、医療関係者や一般の読者から多くの反響をいただきました。
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反響: 「情報の正しさだけでなく、向き合う『姿勢』に触れて心が軽くなった」「専門家とどう対話すればいいかのヒントが得られた」といった声をいただいています。
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成果: 専門知を一方的に届けるのではなく、受け手と共に知を育む「教育学的コミュニケーション」の有効性を示す一事例となりました。
今後も、慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアムの皆様とともに、新型コロナウイルス感染症に関連した医療・健康コミュニケーションの橋渡しをしてまいります。
まとめ:提供する「健康・技術情報」の広報支援
科学コミュニケーター 漆畑文哉は、高度な専門性を要する情報を、社会のニーズに合わせて「正しく、優しく」届けるサポートを行っています。
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専門家向けコラム・記事の企画執筆: 医療、教育、ITなどの専門知を、一般の方が自分事として捉えられる言葉へと翻訳します。
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ヘルスリテラシー向上のためのプログラム設計: 学習科学に基づき、市民が自ら考え、行動するためのワークショップをデザインします。
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アカデミアの社会実装サポート: 大学や研究機関の成果を、社会的な価値として言語化し、発信するプロセスを伴走支援します。
専門的な内容を社会へ分かりやすく届けたい、あるいは情報の伝え方自体をデザインしたいとお考えの方は、ぜひ以下のお問い合わせよりご相談ください。