2021年9月11日(土)16:00〜18:00、一般社団法人みんなの認知症情報学会主催の会員向けオンライン交流会『認知症の方と向き合い続けた17年:これまでの歩み、これからの希望』のファシリテーターを務めさせていただきました。
話題提供は精神科医の上野秀樹先生。精神科病院、認知症精神科訪問診療、もの忘れ外来など新しい認知症支援の方法を模索していく中で、認知症の方に対する考え方、当事者の立場に立った認知症支援とは何かについてお話しくださいました。

背景と課題:専門知と当事者性の「境界」を揺さぶる
上野先生は、巨大病院の病棟勤務から訪問診療まで、多様な現場を経験してこられました。しかし、最も大きな変化をもたらしたのは、3年半前の先生ご自身の「障害」という体験でした。
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課題: 医師という「支援者」が持つ高度な専門知と、一人の人間としての「当事者性」。この二つが重なり合う時、支援の在り方はどう変わるのか。
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狙い: 先生の個人的な経験(ナラティブ)を、参加者一人ひとりが「自分自身のケアの在り方」を問い直すための、開かれた学びに接続すること。
今回のアプローチ:教育学的な「内省(リフレクション)」の支援
私は教育学(学習科学)の知見をベースに、上野先生の話をただ聴くのではなく、参加者と共に「意味を編み直す」プロセスを設計しました。
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「問い」を深めるリアルタイム・ファシリテーション: 上野先生の話が進む中、チャット欄に寄せられる「現場の迷い」や「共感の声」をリアルタイムで構造化。先生の語りと参加者の経験を往復させることで、一方的な講演ではない「対話的な共同学習」の場を構築しました。
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専門知を「ケアの知恵」へ翻訳する: 先生が語る「認知症見立て塾」の取り組みや、障害を経て変わった死生観。それらを、介護職や市民といった多様な立場の方々が「明日からの接し方」に変換できるよう、情報の整理と橋渡しを行いました。
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安心安全な対話のプラットフォーム: デリケートな個人の体験を語る場において、参加者が安心して自己開示し、深いリフレクション(内省)を行えるような空気感と進行テンポをデザインしました。
結果と反響:満足度を超えた「視点の転換」
セミナー後のアンケートでは、これまでにない深い感動と高い満足度をいただきました。
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反響: 「先生の体験と自分の介護経験が重なり、涙が出た」「専門性とは『寄り添うこと』そのものであると再認識した」といった、単なる知識習得を超えた内面的な変容を報告する声が多く寄せられました。
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成果: 専門家と市民が、それぞれの「弱さ」や「経験」を共有し合うことで生まれる、新しい形の学習モデルを提示することができました。
登壇された上野秀樹先生と参加された皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
- 参照
- 一般社団法人みんなの認知症情報学会
まとめ:提供する「ナラティブ・ファシリテーション」
私は、教育学の理論を武器に、専門家が持つ「語り(ストーリー)」を社会の共通の学びに変えるサポートを行っています。
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対話型オンライン・プログラムの設計: 個人のストーリーを普遍的な学びに昇華させる、高度なイベント構成を提供します。
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医療・福祉・教育の多職種連携支援: 異なる背景を持つ専門家同士、あるいは専門家と市民が「共通言語」で語り合える場を創ります。
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リフレクション(内省)を促すコンテンツ制作: 登壇者の想いを言語化し、参加者の行動変容を促す事後レポートや教材の開発を支援します。
専門家の貴重な経験を、より多くの人の力に変える「学びの場」をデザインしたいとお考えの方は、ぜひ以下のお問い合わせよりご相談ください。