2021年12月26日(日)14:00〜16:00、一般社団法人みんなの認知症情報学会・静岡大学ケア情報学研究所共催の会員向けオンライン学び交流会『211万人の介護職員は認知症ケアをどう学んでいるのか?』のファシリテーターを務めさせていただきました。
話題提供は介護教育コンサルタントの青野桂子さん。介護福祉士の教育に携わっている経験から、認知症介護の職業上の能力をいかに身につけるのか、具体的な事例をもとに紹介していただきました。
「認知症の人と向き合うことは、介護専門職にとって日々の『日常』であり、逃避できない真剣勝負の連続です」
メディアで語られる抽象的な「社会問題」としての認知症ではなく、現場の介護職員が直面する具体的な「職業的課題」を、いかにして自らの成長(我が事・丸ごと)へと昇華させるか。その対話のプロセスをレポートします。

背景と課題:現場が求める「生きた専門性」の習得
現在、日本には211万人を超える介護職員がいますが、認知症ケアにおける「尊厳の保持」と「高度な技術」の両立は、常にアップデートが求められる難解な課題です。
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課題: 認知症の方への向き合い方は、単なる座学だけでは身につきません。現場の葛藤や事例を、いかにして「専門的な知識・技術」へと再構成し、習得するか。
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現状: 多くの職員が向上心を持ちながらも、日常の業務に追われ、自らの実践を客観視し、学びへと変える「場」が不足しています。
今回のアプローチ:葛藤を対話に変えるファシリテーション
本イベントにおいて、オンライン共同学習のフレームワークを用い、参加者が自らの実践をリフレクション(内省)できる場を設計しました。
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「問い」を深めるリアルタイム・ナビゲート: 登壇者による事例紹介の最中も、チャット欄に寄せられる「現場のリアルな困りごと」や「違和感」を丁寧にピックアップ。それを登壇者への問いとして投げかけることで、講演を「自分たちの物語」へと引き寄せました。
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専門知と実践の橋渡し: 抽象的な専門知識が、現場のどの動きに該当するのか。漆畑さんが得意とする「情報の翻訳(コーディネート)」により、理論を技術へと結びつける思考のプロセスを支援しました。
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双方向的な知の共創: 参加者同士がチャットを通じて気づきを共有し合うことで、一人の事例を全員の学びに変える「協調的な学び」の環境を構築しました。
結果と反響:満足度から「次への展望」へ
セミナー後のアンケートでは、内容への深い共感と高い満足度をいただきました。
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反響: 「日々の業務での悩みが、専門職としての『課題』として整理された」「オンラインでも、他の職員と繋がっている安心感と学びがあった」といった声を多くいただきました。
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今後の展望: 本セミナーを通じて、介護職の能力向上には「継続的なリフレクションの場」が不可欠であることが再確認されました。ICTを活用した、より高度な事例検討モデルの構築が、次なる課題となります。
登壇された青野桂子さんと参加された皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
- 参照
- 一般社団法人みんなの認知症情報学会
まとめ:提供する「専門職コミュニティ」の支援
科学コミュニケーター 漆畑文哉は、医療・福祉の現場が抱える「答えのない問い」を、対話を通じて「専門的な知」へと高めるサポートを行っています。
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専門職向けオンライン・ワークショップの設計: 現場の事例を教材化し、深い学びに繋げるプロセスを構築します。
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ケア情報学に基づく教育ファシリテーション: ケアの質を高めるための、エビデンスに基づいた対話の場を提供します。
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組織内のナレッジ共有支援: 現場の「暗黙知」を言語化し、組織全体の技術向上に貢献します。
認知症ケアの質向上や、介護職員の教育プログラム、オンラインでの事例検討会をお考えの方は、ぜひ[お問い合わせ]よりご相談ください。