科学コミュニケーションの実践|海外のコロナ対策コンテンツを日本の子育て世代へ届ける翻訳デザイン

慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアムの感染症予防教育チーム「みんながヒーロープロジェクト」の一員として、フィービー・モリスが作成した子どもたちの感染症予防教育のための絵本「ゆうまくんはスーパーヒーロー」読み聞かせ版の翻訳協力をさせていただきました

海外発のメッセージを、日本の親子が日常の中で自然に受け入れられる「生きた言葉」へと整えたプロセスをご紹介します。

背景と課題

本プロジェクトは、コロナ禍で不安を抱える子供たちや保護者を勇気づけるために発足しました。 既存の絵本バージョンの翻訳は、英語の直訳に近い硬い表現が残っており、日本の保護者がお子さんに読み聞かせをする際、物語の世界観に没入しにくいという課題がありました。 公衆衛生上の正しい知識を伝えつつ、いかに「読み手である親子の心理的ハードルを下げるか」が求められていました。

今回のアプローチ

「直訳」を「対話」へと変換するために、以下の点にこだわってニュアンスの調整(ローカライズ)を行いました。

  • 「読み聞かせ」に最適化したリズム: 文字で追う文章ではなく、声に出した時に耳に心地よく響く言葉選びを徹底。親子がリラックスして物語を楽しめるよう、日本語特有の柔らかな表現へと編み直しました。

  • ニュアンスの精密な調整: 「正しさ」を押し付けるのではなく、ヒーローという設定を活かしながら、子供が「自分もやってみよう」と思える前向きなトーンを維持。直訳では伝わりにくいニュアンスを、日本の子育て現場の感覚に寄り添って補完しました。

  • 科学的知見と情緒の融合: 科学コミュニケーターとしての視点を持ちつつ、専門用語を一切使わずに、コロナ対策という重要なメッセージをストーリーの中に自然に溶け込ませました。

結果と反響

本読み聞かせバージョンを通じて、多くの家庭に「安心」と「勇気」を届けることができました。

  • 保護者の安心感に寄与: 「読みやすくなったことで、子供と一緒に感染対策を前向きに捉えられるようになった」という、制作側の意図に沿った反響をいただきました。

  • 情報のアクセシビリティ向上: 言葉の壁を取り払うことで、より幅広い年齢層の子供たちがプロジェクトのメッセージを受け取れるようになりました。

  • 「翻訳」による価値の再定義: 優れたコンテンツであっても、言葉の選び方一つで伝わり方が変わることを実証。専門知を社会に届ける際の「翻訳」の重要性を示す事例となりました。

まとめ:お問い合わせについて

科学コミュニケーター 漆畑文哉は、海外の教育コンテンツや専門的な資料を、日本のターゲットに合わせて最適化する「情緒的ローカライズ・翻訳」を承っております。

  • 教育・科学コンテンツの翻訳協力: 英語の直訳を、子供や保護者が親しみやすい「生きた日本語」へとアップデートします。

  • ナラティブ・ライティング: 専門的な事実(Fact)を、共感を生むストーリー(Story)へと編み直します。

  • 子育て世代向けの情報デザイン: 科学的な正しさと、親子の安心感を両立させる表現の提案。

「海外の優れた教材を日本で展開したい」「専門的な内容を、もっと柔らかい表現で届けたい」とお考えの研究機関、出版社、海外法人の皆様、ぜひ以下のお問い合わせフォームよりご相談ください。

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