2022年2月19日(土)13:30〜14:30、慶應義塾大学SFC研究所健康情報コンソーシアム 子ども味覚向上委員会主催、味の素株式会社・ABC Cooking Studio協力『発見!親子deにじいろクッキング』オンライン特別イベントのファシリテーターを務めさせていただきました。
新型コロナウイルスの影響により、対面での料理教室が困難な状況下で、いかにして「味覚」という身体的な感覚をオンラインで伝えるか。子どもたちの主体性を引き出すナビゲートの舞台裏をレポートします。

背景と課題:物理的な距離を「学び」で埋める
食育において、味覚の基本となる「5基本味」の理解は非常に重要ですが、座学だけでは子どもたちの興味を維持するのが難しいテーマでもあります。
イベントは、おいしさの元となっている5つの味のうち、摂取量が多くなりがちな塩分、そして塩分の代わりにうま味を多く含んだ食材について小学校高学年向けに行ったクイズ形式のオンライン授業です。本来であればABC Cooking Studioで調理実習を含んだ味覚教室を行う予定でしたが、新型コロナ感染拡大に伴い、リアル形式の教室は延期し、オンライン授業として進行させていただきました。
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課題: オンライン環境下での「体験の質の確保」。一方的な配信になりがちな画面越しの授業で、いかに双方向性を生み出すか。
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狙い: 家庭にある食材を活用し、親子で対話しながら味覚の不思議に触れる「参加型」の学習機会を提供する。
今回のアプローチ:エンゲージメントを高める進行設計
私は本イベントの司会・ファシリテーションを担当し、以下のポイントで「オンラインならではの学びの場」を構築しました。
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クイズを取り入れた対話型セッション: 5基本味に関する知識を一方的に伝えるのではなく、クイズ形式で提示。チャットや画面越しのリアクションを拾い上げることで、子どもたちが「自分も参加している」という実感を持てるように設計しました。
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親子でのコミュニケーション促進: 保護者の方にも「味のナビゲーター」として関わってもらう仕掛けを作り、家庭内での対話が深まるような声掛けを徹底。オンライン授業を「視聴」ではなく「家族の体験」へと昇華させました。
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専門知の柔軟な翻訳: 学生プロジェクトが持つ専門的な食育コンテンツを、子どもたちの日常生活の言葉に翻訳し、飽きさせないテンポとストーリー展開でイベントをナビゲートしました。
結果と反響:オンライン食育の新しい可能性
イベント終了後のアンケートでは、参加者から極めて高い満足度をいただきました。
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参加者の声: 「オンラインでも子どもが最後まで夢中で参加していた」「普段意識しない『味』について家族で話すきっかけになった」といった、家庭での継続的な学びに繋がるフィードバックを得ることができました。
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教育的成果: 画面という壁を超え、身近な食材を通じて科学的・文化的な「味覚」の視点を届けることができ、オンライン教育の新たな可能性を証明しました。
子ども向けではありますが、保護者ほか大人も一緒に味覚について考えながら楽しく学べる環境を今後もデザインしてまいります。
今回特にお世話になりました、健康科学者の本田由佳先生、歌舞伎役者の中村橋吾さん、慶應義塾大学の学生の皆さま、味の素の皆さま、そして参加された皆さまにこの場を借りて御礼申し上げます。
- 参照
- 慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム
提供する「オンライン対話型イベント」の支援
科学コミュニケーター 漆畑文哉は、オンラインという制約を「新しい学びの形」に変える場作りを得意としています。
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オンライン・ワークショップの企画・進行: 子供向け、親子向けなど、対象に合わせた最適なコミュニケーションを設計します。
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エデュテインメント(教育×娯楽)の導入: クイズや対話を通じて、難解なテーマを「楽しい体験」へと変換します。
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学生・研究プロジェクトの社会実装支援: 大学や研究機関の成果を、一般の方が参加しやすいイベント形式へ構成し、ナビゲートします。
オンラインでの教育プログラムや、食育・科学教育のイベントを検討されている団体・企業の皆様、ぜひ以下のお問い合わせよりご相談ください。